「写真のどこが面白いの?」
唐突に、ある人に質問された。

趣味って解らない人には解らないんだろうね。

単なる記念写真や記録写真なんか撮っても、決して面白くない。
いつ、何処で、誰と、何をした。
これを、こうしたら、こうなった。
そんなのは、紙切れに書いたメモで充分。
シャッターを押す理由はそんな物じゃない。
あくまでも、趣味として、私が写真を好きな理由。
それは・・・

機械(カメラ)として・・・
自分が見て心が動いた物。
例えば・・・美しいと思った風景・美しい花。
そんな心を動かされた物を残したい。
流れていく、流れを止める事の出来ない時間の「この時」
それを表現したい!と思った時。

自分の目で見たの色
その時の雰囲気
その時の自分の気持ち
頭の中に浮かんでは消える様々な感情・・・
楽しさ、喜び、言葉では表現出来ない感動。
時には寂しさ、悲しみ・・・
そんな色々な物
それをシャッタースピード、露出を工夫して「絵」として残す。

それが思い通りの「絵」になるように機械(カメラ)を操る。
そして、それが思い通りの「絵」を生み出せた楽しさ。その喜び
ちょっとした機械フェチの喜び。

「絵」としての写真は・・・

自分の心の揺れ動き、被写体の美しさ。一期一会の貴重な一瞬。
それを他の人と共有できる事が嬉しい。
自分が美しいと思った事を、同じように美しいと思える事。
それって、凄い事じゃない?
言葉を使って表しても・・・
芥川龍之介の小説の様に、その状態を表す形容詞をいくら並べて、その感動を伝えようとしても・・・
同じ「絵」を見る事は出来ない。

シチュエーションを伝える事が出来ても・・・
相手がその場面を想像してくれても・・・
それは私が見た「絵」とは、同じ「絵」では無い。

私が見た夕焼けの「赤」
同じ夕焼けを見た他人の「赤」
その「赤」は違うかもしれない。いや多分、違うだろう。
でも、私が感動したその「赤」を感じて欲しいんだ。
同じ「赤」を観て欲しいんだ。そして同じ様に感動して欲しい。
その為の「絵」を創りたい。

正直、私には「絵画」の才能は無い。
どんなに美しい風景でも、私の手に掛かれば・・・
見事に「美しくない風景」に成り下がる。
だから、私は写真を撮る。

写真は光を使った引き算の絵。
存在しない物は「絵」に出来ないし、そこに無い物を足す事も出来ない。

写真は「引き算」しか出来ないけど
引き算をしたからこそ残る物があり、目立つ物が残る
残ったものが目立つ事で感動を生む「絵」が出来る。
その「絵」で他人と感動や喜び、脅威や畏怖を共感できるのが楽しいと思う。

今日、私に質問した人と、そんな思いを共有出来たら・・・

非常に嬉しく思う

コメント

あさやん
あさやん
2007年2月4日19:41

写真を撮る楽しさ、そしてそれを見てもらう楽しさ、自分でそれを見る楽しさ。めっちゃわかります^^ 僕はカメラにはあまり詳しくないけど、写真を撮るのはスキです。露出とかあんましよくわからないのですが・・・^^; 旅行中はもちろん、通勤途中でも携帯のカメラを使ってでも運転中でも、とっさにシャッターをきったりする。この景色、この雰囲気、残したい、思い出したいって思うから。その瞬間に撮った画はもう二度と撮ることのできない画だから・・・。
 ちょうど今、うちのデジカメ用に後付の広角レンズを探してたんですが、小さくて安くて合うものが無くて、古い(◎_◎)メガネのレンズを通して写せば「広角」になりました^^; 携帯電話のカメラ用の広角レンズは安くあるのですが置いてる店頭を物色中です。

GABRIELA
2007年2月5日7:27

人それぞれに表現方法は違います。
ある人は言葉を使って、ある人は音楽を使ってetc
カメラの機種とか知識はないけど、ウチは写真を撮るのが好き。
「この一瞬を撮りたい」という気持ちは分かります。
ウチの場合は後日、自分の色を使って表現する際に写真はとてもウチを助けます。
最近は勉強で忙しいから写真を撮ったり絵を描く時間はないけど風景を観察することは怠りません。

「作品(絵画、音楽、文学なんでも)は人を傷つける物もあるし人に良い印象を与えるものもある」とアートセラピストから
聞いたことがあります。
一時期、自分の作品は見る人に不快感を与えていた。
でもこれは、自分の心のの叫びで有り、自分の一部でもあるkら否定は出来ない。

作品を通じて他人と共感出来ることは素晴らしいと思います。

試験が終わったら制作活動に入ります。

キカイダー
キカイダー
2007年2月10日1:14

>あさやん
おぉ!!眼鏡をコンバーター代わりに使う!!
ええアイデアやな!!
近視用なら、ワイドコンバーター
遠視用(老眼鏡)なら、テレコンバーター
サングラスは、NDフィルターやな!!

>がーびー
写真を撮る楽しさを理解してくれる人は多いけど、私みたいにカメラやレンズに○十万円使う事に理解を示してくれる人は少ないねんなぁ・・・

がーびーが言うように、作品にはその時の気持ちが反映されるよね。
喜びや悲しみ、怒りや恐怖、時にはエゴ・・・

誰もが自分を理解してくれる事を望んでいるんだろうね・・・